東京大学 「原子力規制人材育成事業」

我が国固有の特徴を踏まえた原子力リスクマネジメントの
知識基盤構築のための教育プログラム

講義・演習

工学システムの災害リスクマネジメントE(Disaster Risk Management of Engineering Systems)

原子力発電所に限らない技術システムについて、自然ハザード起因の事故リスクのマネジメントに関わる要素(効果的な規制枠組みも含む)について、リスクの特徴に応じた対処も含めて、社会科学、人文科学、工学、理学を如何につなぐかについての考え方を扱う大学院講義(英語講義)を実施します。
レジリエンス工学横断型教育プログラム減災・復興実践学教育プログラム「未来社会協創」国際卓越大学院(WINGS-CFS)の講義にも組み込む形で実施 )

1. Introduction糸井達哉(建築学専攻)/関村直人(原子力国際専攻)
2. Lifecycle Management of Complex Engineering Systems and Culture for Safety関村直人(同上)
3. Characterization of Natural Hazard (Earthquake/Ground Motion)三宅弘恵(地震研究所)
4. Characterization of Natural Hazard (Tsunami)佐竹健治(地震研究所)
5. Characterization of Natural Hazard (Volcanic Eruption)前野 深(地震研究所)
6. Seismic Regulations and Insurance System in Japan楠 浩一(地震研究所)
7. Credibility of Computer Simulation越塚誠一(システム創成学専攻)
8. Safety of Engineering Systems Exposed to Natural Hazards糸井達哉(建築学専攻)
9. Emergency Management and Regional Disaster Mitigation村上健太(レジリエンス工学研究センター)
10. Scientific Accuracy is Not Always Adequate, but Why?佐倉統(情報学環)
11. Sociotechnical Transition and Nuclear Power杉山昌広(未来ビジョン研究センター)
12. Post-Fukushima Nuclear Regulation against Natural Hazards呉長江(原子力規制庁)

原子力安全規制におけるリスク情報を活用した意思決定、安全上重要な新知見の取り扱い等に関する演習

外的事象などの不確かさが大きい原子力安全の問題に関して、新知見の取り扱いやリスク情報を活用した原子力安全規制等の課題について、具体的な事例を使いながら、その重要性や難しさを理解した上で問題が解決できるための演習を実施する。演習では、規制庁職員や日本原子力研究開発機構研究員など外部から講師や講評者として招き、安全規制に関する実践的な議論の機会を設定する。

システム創成学科の3年生を対象に応用プロジェクトBにおいて「(OSCAARを利用した)複雑系システムの危機管理とシミュレーション」と題した演習を行います。演習はJAEAからの招待講演も含む講義を行います。また、緊急事態のトリガとなるイベントとその後の事態の物理的な進展、事故影響のシミュレーションと評価に関するProject-based learning (クループ討論と発表)を行います。

また、SMR等の革新炉などをケーススタディとして、燃料、外的事象に対する設計・対処、原子力防災、廃棄物などに関する演習を実施します。原子力防災に関わる演習では、確率論的事故影響評価コード「OSCAAR」を用いてEPZ設定の考え方などに関する演習を行います。