東京大学 「原子力規制人材育成事業」

我が国固有の特徴を踏まえた原子力リスクマネジメントの
知識基盤構築のための教育プログラム

事業概要

原子力規制人材育成事業で平成28年度から令和元年度にかけて実施した「国際標準プロアクティブエキスパート育成」の成果(社会科学を含む多様な分野の連携、社会の実情を理解・把握できる人材、規制の作成・改善を進められる人材が必要との課題認識)、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)との連携講座等を基盤として、原子力のみならず、様々な工学システム・立地地域特有の特徴等を踏まえつつ、地域全体のリスク低減を図るための効果的な安全規制の仕組みを包括的に議論し、意思決定を行うことができる専門家を育成することを目標とした教育プログラムです。

目標とする人材像

既設の原子力発電所の安全性あるいは安全規制という狭い領域に留まらず、新設炉・新型炉、放射性廃棄物処分、あるいは原子力施設に限らない様々な工学システム共通の基盤となり、当該工学システムの安全性向上について、その効果的な安全規制の仕組みのあり方も含めて包括的に議論できる専門家(社会人学生を含めた大学院学生には、この事業をきっかけに安全研究やそれにかかわる技術開発に発展させ、学位取得研究につなぐことも目標)

具体的には、以下のA)~F)の事業を実施します。

<基礎>

  • A) 工学システムの自然災害リスクマネジメントに関わる理学・工学・社会科学の分野横断の大学院講義
  • B) 外的事象起因の原子力安全・防災等に関するIAEA等の国際機関や国内外の大学、公的研究機関等からの専門家の講師招聘による特別講義

<応用>

  • C) 原子力関連施設の外的事象に対する安全性に関わる視察と議論
  • D) 原子力安全規制におけるリスク情報を活用した意思決定、安全上重要な新知見の取り扱い等に関する演習、また、原子力機構における実験演習・防災関連の演習

<発展>

  • E) IAEA等の国際機関、海外大学、日本原子力研究開発機構等へのインターンシップ制度利用による学生派遣
  • F) ワークショップ等の開催による関係者との議論と展開

実施体制

実施責任者

  • 糸井達哉
    (東京大学大学院工学系研究科建築学専攻)

実施担当者

  • 関村直人
    (同・副学長/工学系研究科原子力国際専攻)
  • 村上健太
    (同・工学系研究科原子力国際専攻)
  • 陳 東鉞
    (同・工学系研究科原子力国際専攻)
  • 阿部弘亨
    (同・工学系研究科原子力専攻)
  • 斉藤拓巳
    (同・工学系研究科原子力専攻)
  • 丸山一平
    (同・工学系研究科建築学専攻)
  • 中山真一
    (日本原子力研究開発機構/同・工学系研究科原子力国際専攻)
  • 高田毅士
    (日本原子力研究開発機構/同・工学系研究科原子力国際専攻)
  • 佐竹健治
    (東京大学地震研究所所長)
  • 八百山太郎
    (同・工学系研究科建築学専攻)

その他、講義等の協力者の所属機関

本学工学系研究科、原子力機構、本学情報学環、本学未来ビジョン研究センター、他

建築学専攻を中心に、国研連携講座 (実施主体:原子力国際専攻)の教育面での効果を最大限取り込みつつ、地震研究所など学内他部局も参画した人材育成(本事業)を規制庁の補助を受けながら実施します。
これにより、東京大学・原子力機構・原子力規制庁の連携を促進するとともに、連携を効果的に活用します。

概要図